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交通事故の基礎知識

なぜ基礎知識が必要なの?

「交通事故に遭ってしまった!」ということは、人生においてそれほど数多く経験するものではないと思います。そのため、ある日突然交通事故被害者になってしまったという場合に、何をして良いのか全く分からないということが多々あります。これまで関わったことのなかった保険会社の担当者から連絡が入り、これまで聞いたことのないような専門用語が飛び交う中に放り込まれるというような感じです。言っていることがよく分からないけども、保険会社の担当者がそう言っているのだから間違いないだろう。怪我の治療のため通院もしないといけないので賠償関係は保険会社に任せれば良いだろう。と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、よく考えてみて下さい。

保険会社担当者は、あくまで相手方です。
相手方保険会社は、なるべく支払金額を抑えるために、被害者と話をしているのです。親身になって話を聞いてくれる担当者もいるかもしれませんが、その真意は…。全ての保険会社担当者が、そのような対応をするとまでは言いませんが、あくまで相手方保険会社なので、必ずしもこちらに有利に動いてくれると考えるべきではありません。

そこで、相手方保険会社と話をする際に、今、何を話しているのか、今後はどういった流れになるのかを把握しておくことは、精神衛生上もいいでしょうし、何よりも自らの損害の把握に役立つと思われます。交通事故損害賠償の流れを頭に入れておくことは、適正な損害賠償請求をするための前提となりますので、非常に重要な作業です。

どのような損害項目があるの?

休業損害

休業損害は交通事故により負傷し、仕事が出来なくなって、やむを得ず仕事を休んでしまったことにより、その分の給与がもらえなかった場合に、その貰えなかった給与を賠償して貰うというものです。有給休暇を使ったため、会社を休んだが給与は減っていないという場合にも、休業損害が認められます。
主婦が交通事故で負傷し、主婦業が出来なかった場合であっても、休業損害は請求可能です。その場合、女性の平均賃金を基礎収入として、何日休んだのか(主婦業が出来なかったのか)という観点で、休業損害を算出します。
自営業者の場合には、受傷のため現実に収入減があった場合に休業損害が認められます。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

これは交通事故により負傷し、入院通院を余儀なくされたことに対する精神的苦痛の慰謝料をいいます。慰謝料には大体の算定基準があり、入通院期間や入通院実日数を考慮して決定されることになります。

後遺障害慰謝料

これは後遺障害を負ったことそのものに対する精神的苦痛の慰謝料をいいます。入通院慰謝料とは別に認められます。後遺障害慰謝料にも算定基準があり、後遺障害等級に応じて判断されます。

逸失利益

逸失利益は後遺障害を負った被害者が将来得られたであろう利益の賠償を求めるものです。
具体的には、交通事故損害賠償実務において、人はおよそ67歳まで働くと考えられており、その被害者が交通事故に遭わなければ、67歳まで100%の力で働けたとします。ただ、今回、被害者は交通事故に遭い、労働能力を何%が減じてしまった。その減じた分については将来的に稼ぐことが出来なくなってしまったと考え、その稼ぐことが出来なくなってしまった分の賠償を求めるというのが逸失利益の考え方です。
逸失利益は基礎収入に労働能力喪失率を乗じ、これに喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じて算定します。
逸失利益の算定についての詳細は弁護士にご確認されることをお勧めします。

治療期間と症状固定の基礎知識

治療期間について

交通事故に遭い、怪我をした場合には、病院に通院し治療を受けることになります。通院期間については怪我の程度によって区々ですが、例えばむち打ち症の場合およそ6ヶ月の通院が目安とされています。また、治療期間中においては、レントゲン、MRI、CT等の画像診断も検討しておく必要があります。後に説明しますが、後遺障害診断においては、画像所見が極めて重要になりますので、早期の段階で痛みに関する証拠を取っておくということです。

症状固定について

治療期間を終了した段階を症状固定の段階といいます。症状固定とは、要するに医学的に見これ以上治療しても良くならない状態のことをいいます。そのような状態ですので、症状固定と診断された後もこれまでどおり病院に行って同じような治療(電気治療や投薬治療等)を行ったとしても、それは厳密な意味での治療とは言えなくなります。これは、その時期以降の治療費は加害者に請求出来ないということに繋がります。
  また、後述しますが、休業損害が認められる期間も、原則として事故日から症状固定日までの期間に限定されます
 これらのことから、症状固定時期は、交通事故損害賠償を検討する上で、重要な一地点となります。
 かかる症状固定時期は、基本的には主治医が患者の様子を診ながら決定されるものです。ただし、訴訟になって相手方が症状固定時期を争ってきた場合には、裁判所が治療経過や治療内容等を勘案し症状固定を判断します。

後遺障害の基礎知識

後遺障害とは

怪我によっては、症状固定時期に至ってからも、治療期間と同様の症状に苛まれることがあります。このように症状固定時期に残存している症状がいわゆる後遺障害です。
交通事故損害賠償実務における後遺障害は、いわゆる自賠責保険における後遺障害をいい、損害保険料率算出機構という機関が、被害者の労働能力喪失の程度を勘案し決定するものです。具体的には、自賠責保険における後遺障害は1~14の等級に別れており、その基準となるのは労働能力喪失率です。
例えば、交通事故で障害を負い寝たきりになってしまった被害者の方は、今後100%働けないということで1級の後遺障害と認定されます。
また、例えば、交通事故で少しきつめのむち打ち症になってしまった被害者の方は、これまでと同様100%の力で働くことは出来ずに、5%程度労働能力を減じてしまったであろうと考えられる場合には14級の後遺障害と認定されます。

後遺障害の判断基準

被害者に自賠責保険における後遺障害(以下単に「後遺障害」という。)があるか否かについては、いわゆるペーパー審査によって行われ、原則として被害者本人の面談は行われません。具体的には、症状固定時期に発行される後遺障害診断書やMRI等の検査画像によって、被害者の後遺障害の内容及び程度、労働能力喪失率を判断します。
このような審査方法ですので、後遺障害診断書がきちんとしたものでないと、出るものも出ない、ということになります。
後遺障害作成段階においては、きちんとした検査を受けて、自らの症状をしっかり書いて貰うように主治医に申し出ておくことです。また、出来上がった後遺障害診断書もしっかりチェックして、記載が足りないようであれば、主治医に相談し、追記してもらうようお願いすることも必要だと思います。この点が後遺障害等級認定をもらうにあたって大変重要なポイントになってきますので、十分注意していただきたいところです。
障害の内容によっては、症状の立証のため、上記書類に加えて、別の書類を提出しておくことが有益である場合もありますので、詳しいことは専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

後遺障害の申請方法 

後遺障害の等級認定は、損害保険料率算出機構が決定することになりますが、その認定手続には2通りあります。
まず一つ目は、相手方保険会社が自賠責保険に対し、被害者の後遺障害等級認定を申請する方法です。これを事前認定といいます。これは相手方保険会社が、被害者に損害賠償金額を支払うに際して、被害者の後遺障害はどの程度かを問い合せ、その等級に見合った賠償金額を支払うためにするものということができます。
二つ目は、被害者が自ら自賠責保険に対し、被害者の後遺障害等級認定を申請する方法です。これを被害者請求といいます。これは、被害者が自賠責保険に対し、保険金を請求する一環で、自賠責が被害者の後遺障害の程度を判断するというものです。
事前認定については、基本的には相手方保険会社が手続を進めますので、被害者が負担しなければならない手続はあまりなく、楽に進められるということができます。もっとも、相手方保険会社を通じてなすものなので、どういった書類が提出され、または提出されなかったのかが不透明である点が問題です。
他方で、被害者請求は、保険金請求手続を自らすることになるので、手続としては煩雑であることが挙げられます。しかし、提出書類をこちらで揃えることになりますので、必要な書類に漏れがないかを確認することが出来ます(事前認定をお願いした際に、出ていて当然の書類が漏れていたりすることが過去にありました。)。また、自らの症状を表す資料や診断書を添付し、積極的に自らの後遺障害を立証することも出来ます。後遺障害という重要な局面で、適切に立証活動をコントロールすべく、当事務所では、被害者請求の活用を推奨しています。

後遺障害の等級表

後遺障害等級表 別表第一
第1級
1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級
1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

後遺障害等級表 別表第二
第1級
 両眼が失明したもの
 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
 両上肢の用を全廃したもの
 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
 両下肢の用を全廃したもの
第2級
 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
 両眼の視力が0.02以下になったもの
 両上肢を手関節以上で失ったもの
 両下肢を足関節以上で失ったもの
第3級
 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
 両手の手指の全部を失つたもの
第4級
 両眼の視力が0.06以下になったもの
 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
 両耳の聴力を全く失ったもの
 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
 両手の手指の全部の用を廃したもの
 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第5級  
 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服す ることができないもの
 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
 1上肢を手関節以上で失ったもの
 1下肢を足関節以上で失ったもの
 1上肢の用を全廃したもの
 1下肢の用を全廃したもの
 両足の足指の全部を失ったもの
第6級
 両眼の視力が0.1以下になったもの
 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
 1手の5の手指又はおや指及びを含み4の手指を失ったもの
第7級
 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11 両足の足指の全部の用を廃したもの
12 外貌に著しい醜状を残すもの
13 両側の睾丸を失ったもの
第8級
 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
 脊柱に運動障害を残すもの
 1手のおや指を含み2の手指を失つたもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
 1上肢に偽関節を残すもの
 1下肢に偽関節を残すもの
10 1足の足指の全部を失ったもの
第9級
1 
両眼の視力が0.6以下になったもの
2 
1眼の視力が0.06以下になったもの
 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5 
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
6 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
8 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
9 1耳の聴力を全く失つたもの
10 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12 
1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
13 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
14 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
15 1足の足指の全部の用を廃したもの
16 外貌に相当程度の醜状を残すもの
17 
生殖器に著しい障害を残すもの
第10級
 1眼の視力が0.1以下になったもの
 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
10 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
11 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級
1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
 脊柱に変形を残すもの
 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの
 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
10 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級 
 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
 長管骨に変形を残すもの
 1手のこ指を失ったもの
10 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11 1足の第2の足指を失つたもの、第2の足指を含み2の足指を失つたもの又は第3の足指以下の3の足指を失つたもの
12 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13 局部に頑固な神経症状を残すもの
14 外貌に醜状を残すもの
第13級
 1眼の視力が0.6以下になったもの
 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 1手のこ指の用を廃したもの
 1手のおや指の指骨の一部を失つたもの
 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
10 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
第14級
 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
 局部に神経症状を残すもの

山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

弁護士 竹川   聡

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