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脊髄損傷

脊髄損傷とは

脊髄とは、人体の背骨の中を走る中枢神経をいいます。脊髄が損傷すると、運動機能や知覚機能が失われ、身体に麻痺が生じ、また、自律神経に異常が生じたり、尿路障害が生じるなど、様々な症状が生じます。一般的に脊髄損傷は背骨の骨折や脱臼によって生じることが多い傷病ですが、ヘルニアや骨棘が脊髄を圧迫したために脊髄が損傷する事案などもあります。後者の事案の場合、骨折もなく、目立った出血もないので、主治医の先生が軽いむち打ち症と決め込んで、脊髄損傷が見落とされた事件も報告されています。

脊髄損傷で適切な等級を獲得するポイント

脊髄損傷のポイント、①麻痺の発生部位、②麻痺の程度です。漫然と「麻痺が生じている」とする証拠では、適切な等級認定は得られません。主治医の先生のご協力のもと、身体のどの部位に、どの程度の麻痺が生じているか、適切に立証する必要があります。

また、「麻痺が生じている」という自己申告だけでは、脊髄損傷は後遺障害認定されません。自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見が必要です。もしこの裏づけ所見がなければ、たとえ複数の医師がそろって脊髄損傷と診断していても、脊髄損傷として後遺障害認定を受けることはできません。

具体的には、まずはX-p画像、MRI画像、CT画像を撮影して必要な画像所見を得ることです。受傷後の急性期でなければ写らないMRI画像所見もあるうえ、解像度の高いMRIを使用しなければ撮影されない所見もあるので、手遅れになる前にしかるべき画像を撮影しましょう。

次に、各種の検査を医療機関で実施して、適切な所見を残しておく必要があります。

医師によっては、被害者の方が黙っていると、とくに検査を実施しない事案も多く見受けられます。なぜ検査をしない医師がいるのか?医師が悪いわけではありません。「治すために必要な検査」と「立証するために必要な検査」はちがうからです。医師の感覚からすれば、「わざわざそんな検査しなくても、治る・治らないに関係ない」。頼まれもしないのにあえて「立証するために必要な検査」をする動機がないのです。決して受身にならず、必要な検査を取りこぼさないようにしましょう。

各種の検査とは、代表的なものでは、①膝などをゴムハンマーで叩き、身体の反射をみる病的反射検査、②筋力がどの程度低下しているかを数値化する徒手筋力テスト、③左右の手足の筋力の周囲径を測定する筋萎縮検査などがあります。

不足している立証が何かは個別具体的な事案によって異なります。もしご不安を感じておられる方がおられたら、私たちまでご相談下さい。

脊髄損傷と弁護士


被害者の方が脊髄損傷の傷病を負った場合、弁護士をつけて各種手続を進める価値は十分にあるといえます。控え目に表現するにしても、一度は弁護士の法律相談を聞いてみる価値はあるといえます。

その理由は、3つです。

第一に、前述のように脊髄損傷は適切な立証活動をしないと、不当に低い等級が認定され、ひどい場合は、そもそも後遺障害として認定されない危険があるためです。何が不足している医証か、適切な等級獲得のために次に何をすべきかは、個別の事案によって異なり、その判断は決して容易ではありません。

第二に、脊髄損傷、とりわけ重度の脊髄損傷の場合、介護費、将来の介護費、家屋改造費など、重度後遺障害類型に特有の損害費目が生じるため、被害者の方がお1人で示談交渉をされると判断を誤る危険があり、専門的な保険会社に誘導されて、不当に低額な和解金で示談してしまう危険性があるからです。

第三に、脊髄損傷の場合、損害賠償額が高額になり、相手方保険会社が必死になって賠償額を低く抑えようとする事案が多く、専門的組織である保険会社に、被害者の方がたったお1人で立ち向かうには無理があるからです。現に、当事務所の経験上、脊髄損傷事案の場合、相手方保険会社が峻烈に争点を立ち上げ、訴訟に至ってようやく解決を迎えることができた事案が多く、他の傷病に比べて訴訟率は高いといえます。

これら理由から、被害者の方が脊髄損傷の傷病を負った場合、弁護士をつける価値は十分にあるといえ、控え目に表現するにしても、いったんは弁護士の法律相談を聞いてみる価値はあるでしょう。お気軽に当事務所の無料法律相談をご利用下さい。

当事務所の解決事案  -脊髄損傷

■事案
 Aさんは、自動二輪車で走行中、前方車両が左ウィンカーを出し速度を落としたことから停車すると思い、その車両の右側を通過しようとしました。すると、その車両は突然右側に進路変更し、こちらの進路を塞ぐ形になったため、Aさんは咄嗟にブレーキを掛けたところバランスを失い転倒しました。
 Aさんは、本件事故で脊髄損傷、脊柱変形等の後遺障害を負い、前者で後遺障害9級が、後者で後遺障害8級が認定され、結局併合7級の後遺障害を負ったと判断されました。

■保険会社と意見が対立
 相手方保険会社は、脊柱変形については就労に多大な影響を及ぼすことは考えがたいことから、労働能力喪失率は9級相当の35%とみるべきであると主張しました。また、相手方は、道路の幅員が狭かったことから、そもそも車両の右側を通過しようとすることが危険な行為であって、わずかな大回りをしたことによる車両側の過失は小さいとのことで7割以上の過失相殺を主張しました。
 これらに対して当方は、Aさんの脊柱変形障害は相当程度重度の変形障害であり、また、Aさんが背部痛を訴えていたところこれを含めた等級認定がなされていることを理由に7級相当の56%の労働能力喪失率であることを主張しました。過失については、道路の幅員が狭かったとはいえず、また、突然車両が大回りをしてきたことから事故を回避することが出来ないことから過失はないと主張しました。
 相手方は示談交渉段階において全く譲歩しなかったことから、当方は訴訟を提起し、裁判でも激しく意見が対立しました。

■解決
 裁判を進めるなかで専門医の意見書が出されたところ、専門医の意見は当方主張とほぼ同じ。結果、後遺障害についてはこちらの主張を全面的に認めながらも、過失については15%の過失相殺をするという内容で和解が成立しました。過失を除いてほぼ当方の言い分が通った形となり、和解金額は提訴前の交渉段階で相手方弁護士が提案していた示談提案額の10倍以上となりました。
 Aさんには大変喜んでいただけました。

脊髄損傷の後遺障害等級

脊髄損傷の等級表
1級  脊髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの。以下のものが該当する。
  • 高度の四肢麻痺が認められるもの
  • 高度の対麻痺が認められるもの
  • 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
  • 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
2級  脊髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの。以下のものが該当する。
  • 中等度の四肢麻痺が認められるもの
  • 軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
  • 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
3級  生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、脊髄症状のために労務に服することができないもの。以下のものが該当する。
  • 軽度の四肢麻痺が認められるもの(2級に該当するものを除く)
  • 中等度の対麻痺が認められるもの(1級または2級に該当するものを除く)
5級  脊髄症状のため、きわめて軽易な労務のほかに服することができないもの。以下のものが該当する。
  • 軽度の対麻痺が認められるもの
  • 一下肢の高度の単麻痺が認められるもの
7級  脊髄症状のため、軽易な労務以外には服することができないもの。一下肢の中等度の単麻痺が認められるものが該当する。
9級  通常の労務に服することはできるが、脊髄症状のため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの。一下肢の軽度の単麻痺が認められるものが該当する。
12級  通常の労務に服することはできるが、脊髄症状のため、多少の障害を残すもの。以下のものが該当する。
運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの。または、運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるもの。

山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

弁護士 竹川   聡

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大阪市中央区北浜2丁目1番3号北浜清友会館ビルディング。北浜駅から徒歩1分、淀屋橋駅から徒歩7分。大阪弁護士会所属。

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