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2015.08.06

脊髄損傷に関する裁判例 東京地裁平成27年3月10日判決

 【東京地裁平成27年3月10日判決 -自保ジャーナル1946号76頁】



交通事故前に、被害者の方が頚椎症性脊髄症と診断されていた事案において、この裁判例は、事故前後の症状や被害者の方が本件事故により受けた衝撃は大きいとはいえないことなども考慮して、


「本件事故後に原告に発現した症状は原告がもともと有していた頚椎症性脊髄症とその経年的変化が寄与したところが極めて大きいものと推認され、損害の公平な分担の見地から、損害額の5割を減額するのが相当である」


と素因減額を行いました。

2015.08.05

脊髄損傷に関する裁判例 東京地裁平成27年3月19日判決

【東京地裁平成27年3月19日判決 自保ジャーナル1946号60頁】

脊髄損傷を負い紛争処理機構により3級3号認定を受けた47歳男性の交通事故について、この裁判例は、

「原告に上肢の麻痺が残存したとは認められず、上肢については症状改善の経過をたどっているにもかかわらず、下肢のみが症状悪化の経過をたどるというのは、単一の病態で説明するのが困難であることも併せ考慮すると、現在の原告の下肢の具体的な身体状況は不明であり、原告に下肢の麻痺が残存していると認定することは困難であるというべきである。」

としたうえで、車体の損傷状況から本件事故による原告への衝撃は比較的軽度であったと認められること、本件事故により原告に下肢の麻痺が残存する医学的機序が認められないことなどの理由とあわせて、本件事故との因果関係は認められないと判断しました。

2015.07.02

脊髄損傷に関する裁判例 大阪地裁平成27年1月21日判決

【大阪地裁平成27年1月21日判決 自保ジャーナル1944号1頁】

頚髄損傷等で自賠責3級3号認定の後遺障害を残した被害者の方が常時介護を要する1級1号の後遺障害を残したと主張した事案において、この裁判例は、原告に介護を要する場面は食事、更衣、入浴の各局面において決して少なくないとしながらも、

「しかし、現在の状態を前提としても、日常生活動作の中心的部分は自身で行うことが可能であり、随時介護を越えて、常時介護を要する状態であると評価することはできない」

としつつ、

「軽度の四肢麻痺又は中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する状態であ」る

と認定し、2級1号の後遺障害に該当すると判断しました。

また、この裁判例は、将来介護費用について、中心となって介護している近親者である夫が67歳までは日額4000円、夫が67歳となった後の将来介護費用は日額8000円で認定しました。

2015.05.02

脊髄損傷に関する裁判例のご紹介 東京地裁平成26年12月24日判決

東京地裁平成26年12月24日判決 -自保ジャーナル1940号46頁

50代男性歯科開業医が頸髄損傷等から自賠責3級3号の後遺障害を残した事案について、東京地裁は、

「原告の妻による介助は、階段昇降時の補助、排便時や入浴時の補助等、日常生活の一部に限定されたものと認められるから、自宅付添費の日額は、被告らが自認する3000円の限度で認めるのが相当である」

として日額3000円の退院後の自宅付添費を認定し、また、症状固定後の付添費用については、

「症状固定後についても、平均余命に至るまで、原告の妻による自宅付添いが一部必要であることは認めているところ、原告については、付添いの負担が症状固定の前後で変わるものではないといえるから、自宅付添費の日額は、3000円の限度で認めるのが相当である。」

と認定しました。ほかの事案では、症状固定後の自宅付添費について、とくに理由も書かれないまま、あっさりと症状固定前より減額した金額が認定されるケースが少なからずあるのですが、この裁判例では、症状固定の前後で同じ金額の自宅付添費が認容されています。

また、この裁判例では、交通事故の加害者側が、原告の逸失利益のうち労働能力喪失率が100%であることと労働能力喪失期間が15年間であることをとくに争わなかったようなのですが、このような加害者側の対応も注目に値する事案だと感じます。


2015.02.25

脊髄損傷の裁判例のご紹介 平成26年3月26日大阪地方裁判所判決

大阪地裁平成26年3月26日判決 -自保ジャーナル1924号52頁

【コメント】
自賠責は併合6級の認定だったところ、判決で併合2級が認められた珍しい裁判例です。なお、念のための補足ですが、当事務所の関与はありません。

【判決 抜粋】
上記認定の治療経過等に照らせば、本件事故による中心性頸髄損傷後の後遺障害は、症状固定時(平成21年4月12日)の症状を前提として、上肢につき軽度の麻痺、下肢につき中等度の麻痺を残すものと認めるのが相当であり、後遺障害等級3級該当と認めるのが相当である。

(…略…)

他方、被告は、自賠責保険の後遺障害等級併合6級との認定が適切である旨主張する。
(ア)まず、自賠責保険も、各病院等の診断と同様に、髄内輝度変化は明らかでないとしつつも、本件事故で頸髄損傷を受傷したこと自体は肯定している。
(イ)そして、前記認定の自賠責保険の判断理由からすれば、自賠責保険は頸髄損傷後の後遺障害の程度について、受傷当初のC病院での麻痺なし等との診断内容を重視し、その後の四肢麻痺等の症状はC病院退院後に増悪したもので、本件事故によるものではないと捉えているものと解される。
しかし、前記認定の治療経過等、特に、C病院でも、当初から筋力低下、感覚障害、しびれ等の症状が認められていること、麻痺なし、感覚9/10等の診断は、中心性頸髄損傷との診断がされる前の入院当初にされたものであること、当初は頚椎捻挫等と診断されていたもので、同病院の救急科医師らが、重い麻痺症状は想定していなかった可能性や、ベッド上での臥床位での診断・検査しかできない中で、原告が大した怪我ではないと思って勘で大丈夫だと答えたりしていたため、十分な神経学的評価ができなかった可能性があること、実際には原告はベッドから降りることすらできない状態にあったこと、中心性頸髄損傷と診断された平成20年10月20日以降に、十分な検査が行われた様子はないこと、本件事故の約1ヶ月後に転院したD病院では、早い段階から四肢麻痺と診断されていたこと、本件証拠上、当初は単なる筋力低下、しびれ等の症状であったところが、短期間の内に麻痺症状に増悪するような別の原因があったとは認められないこと、膀胱直腸障害については後に増悪したように見受けられるものの、上肢の肩肘に大きな問題はないが手指に巧緻障害があるという状態や、下肢の自立歩行できないという常態は、受傷当初から一貫して継続していること、自賠責保険でも、1度はC病院で診察されていた症状について軽度の四肢麻痺と捉えたこと(すなわち、C病院で診察されていた症状をもって四肢麻痺と捉えることが全くできないものではないと考えられること)などに照らせば、実際には、もともと単なる筋力低下、しびれ等の症状ではなく、麻痺症状であったところ、救急初期段階のC病院では、それを的確に評価できていなかったにすぎないものと認めるのが相当である。
(ウ)したがって、C病院での麻痺なし等の診断内容を重視するのは相当ではなく、これを重視した自賠責保険の前記認定は、不適切なものといわざるを得ないから、被告の上記主張は採用できない。

2015.02.21

脊髄損傷の裁判例のご紹介 平成26年9月12日大阪地方裁判所判決

大阪地裁平成26年9月12日判決 -自保ジャーナル1935号42頁

【裁判所の判断の抜粋】 
以上からすれば、原告は本件事故により、脊髄損傷の後遺障害を負ったものと認められる。なお、損害保険料率算出機構は、両手足のしびれ、左上下肢の放散痛等について画像上脊髄損傷の裏付けとなるMRI検査について、平成19年4月26日の画像と同年10月24日の画像に経時的変化がないなどとして脊髄損傷の発生を否定しているが、原告を診察した医師の判断と異なるばかりでなく、被告が提出した医師の意見書とも異なる見解であり、ただちに信用することができない。

前記ア(エ)で認定した原告の現状によれば、原告は手指を使用した作業をすることは難しく、歩行にも一定の障害はあるものの、日常生活の中で上肢や下肢を一定程度動かしているということができる。そうすると、原告の状態を軽度の四肢麻痺とまで評価することは難しい。他方、上記生活状況からすれば、原告は、上記症状により軽易な労務以外には就くことが困難な状態にあるということができる。すなわち、原告は、神経症状については、平成21年6月1日、後遺障害等級7級4号に相当する神経症状の後遺障害がある状態で症状固定したと認められる。


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山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

弁護士 竹川   聡

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大阪市中央区北浜2丁目1番3号北浜清友会館ビルディング。北浜駅から徒歩1分、淀屋橋駅から徒歩7分。大阪弁護士会所属。

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