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2015.08.07

死亡事故に関する裁判例 松山地裁今治支部平成27年3月10日判決

【松山地裁今治支部平成27年3月10日判決 自保ジャーナル1946号138頁】


家族と同居して家事従事していた82歳女子の死亡逸失利益について、この裁判例は、まず基礎収入を

「本件事故当時、弟と同居し、炊事、洗濯、掃除、病院への付添等の家事を行っていたことが認められ、当該家事労働は、平成24年における70歳以上女性の学歴計平均賃金295万6000円の70%に相当する206万9200円であるとの評価するのが相当である。」


と認定し、次に生活費控除率については


「生活の実情に照らすと、生活費控除率は40%と認めるのが相当である」


と判断しました。

2015.08.06

脊髄損傷に関する裁判例 東京地裁平成27年3月10日判決

 【東京地裁平成27年3月10日判決 -自保ジャーナル1946号76頁】



交通事故前に、被害者の方が頚椎症性脊髄症と診断されていた事案において、この裁判例は、事故前後の症状や被害者の方が本件事故により受けた衝撃は大きいとはいえないことなども考慮して、


「本件事故後に原告に発現した症状は原告がもともと有していた頚椎症性脊髄症とその経年的変化が寄与したところが極めて大きいものと推認され、損害の公平な分担の見地から、損害額の5割を減額するのが相当である」


と素因減額を行いました。

2015.08.05

脊髄損傷に関する裁判例 東京地裁平成27年3月19日判決

【東京地裁平成27年3月19日判決 自保ジャーナル1946号60頁】

脊髄損傷を負い紛争処理機構により3級3号認定を受けた47歳男性の交通事故について、この裁判例は、

「原告に上肢の麻痺が残存したとは認められず、上肢については症状改善の経過をたどっているにもかかわらず、下肢のみが症状悪化の経過をたどるというのは、単一の病態で説明するのが困難であることも併せ考慮すると、現在の原告の下肢の具体的な身体状況は不明であり、原告に下肢の麻痺が残存していると認定することは困難であるというべきである。」

としたうえで、車体の損傷状況から本件事故による原告への衝撃は比較的軽度であったと認められること、本件事故により原告に下肢の麻痺が残存する医学的機序が認められないことなどの理由とあわせて、本件事故との因果関係は認められないと判断しました。

2015.08.04

死亡事故に関する裁判例 大阪地裁平成27年1月13日判決

 【大阪地裁平成27年1月13日判決 -自保ジャーナル1945号78頁】



18歳女子短大生の死亡逸失利益について、この裁判例は、


「Aは死亡当時18歳の女子であり、現在の社会情勢や、Aが将来に向けて非常に大きな可能性を有していたことを勘案し、短大卒業後の基礎収入としては平成24年賃金センサス・男女計・全年齢・全学歴計平均賃金である472万6500円を採用するのが相当である」


したうえで、生活費控除率について





「一般的に女子の生活費控除率について30%ないし40%という数字が採用される趣旨は、基礎収入として低額な女子平均賃金を採用することとの関係で、最終的な結論の妥当性を確保することにあり、基礎収入がより高額になる場合には、その趣旨は当てはまらない。」


として、


「実際問題としても、女子平均賃金よりも高額な基礎収入を設定する場合に、被害者が女子であるからといって一律に上記割合を採用すると、男子平均賃金を基礎として、一般的な50%の生活費控除率を設定した場合の逸失利益額を遥かに超える金額が算出されることとなり、その不均衡を合理的に説明することは到底困難である。」


として、生活費控除率を45%で認定しました。

2015.08.03

高次脳機能障害に関する裁判例 千葉地裁佐倉支部平成26年11月12日判決

 【千葉地裁佐倉支部平成26年11月12月判決】

興味深い裁判例が出ました。


自賠責9級10号認定の高次脳機能障害を残した58歳男性が、被告側弁護士から、示談交渉において「自賠責基準であれば、直ちに賠償金を支払える」と説明を受けて示談した事案において、この裁判例は、後遺障害の逸失利益の錯誤無効は否定したものの、後遺障害慰謝料については



「後遺障害が自賠法施行令別表第二第9級10号(神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの)に該当するのであれば、特段の加減事由がない場合、690万円をもって相当な額と考えられるのであって、245万円は、後遺障害が自賠法施行令別表第12級13号(局国に頑固な神経症状を残すもの)に該当するような場合の慰謝料額というべきであり、本件示談のうち後遺障害慰謝料に関する部分については、原告に錯誤(後遺障害慰謝料の相当額が245万円と思い込み本件示談に応じる旨の意思表示をしたこと)があったと解するのが相当である。」



としたうえで、かかる錯誤(動機の錯誤)は



「弁護士との間の電話のやりとりにおいて、上記動機は表示されていたというべきである」


として、



「原告の前記錯誤に重大な過失があったのではないかとの疑念が生じるものの」


と指摘しつつも


「以下の事情を考慮するならば、前記錯誤において原告に重大な過失があったとまではいえない」


として錯誤を認めました。
保険会社・加害者側の弁護士による示談交渉の実態の一端、そして、裁判所の慎重な立場とその悩みが垣間見られる裁判例です。

2015.08.02

高次脳機能障害に関する裁判例 東京地裁平成27年3月25日判決

 【東京地裁平成27年3月25日判決 自保ジャーナル1945号24頁】


30代女性が自賠責5級2号の高次脳機能障害を残した事案において、この裁判例は、症状固定までの通院付添費を日額2000円で認定し、また、将来の介護費用については

「原告の日常生活においては、平均余命51.69年にわたり、近親者による随時の声かけ、見守り等の介護の必要があるものと認められるが、原告の後遺障害の内容・程度、症状の推移及び日常生活状況に鑑みると、将来介護費用として、803万2482円を認めるのが相当である。」として、日額1200円で認定しました。

2015.08.01

高次脳機能障害に関する裁判例 東京高裁平成27年3月25日判決

 【東京高裁平成27年3月25日判決 自保ジャーナル1945号1頁】

交通事故により高次脳機能障害の後遺障害を残したとする事案において、東京高裁は、退院時に日常生活動作は自立していた事実、平成22年当時の医師の診断では身の回り動作能力は自立となっていた事実、他方、症状は平成23年5月ころから悪化したことなどを認定したうえで、


「現在症状は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害と多様な症状であり、その程度も高度であるところ、Xに認められる脳挫傷は比較的小さく、現在症状との整合性に疑問がある。」


と述べ、また、


「現在症状が脳挫傷によるものであれば、急性期には浮腫の広がりも大きく、その時点の症状は慢性期(症状固定時期)よりも重篤であるところ、認定事実のとおり、Xの症状は、本件事故後相当期間が経過した後に悪化しており、これと整合しない」


として高次脳機能障害と交通事故の因果関係を否定しました。


高次脳機能障害に限らず、事故から遅れて症状が生じたり悪化した場合、因果関係が争われることが多く、被害者側弁護士としては苦労することが少なくありません。

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山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

弁護士 竹川   聡

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大阪市中央区北浜2丁目1番3号北浜清友会館ビルディング。北浜駅から徒歩1分、淀屋橋駅から徒歩7分。大阪弁護士会所属。

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