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2015.07.04

高次脳機能障害に関する裁判例 名古屋地裁平成27年1月9日判決

 【名古屋地裁平成27年1月9日判決 自保ジャーナル1944号36頁】

この裁判例は、事故当時9歳だった女子の後遺障害について、

「本件事故により脳挫傷の傷害を負い、事故直後から継続する意識障害があった。C病院脳外科医師は、知能低下、注意障害、記憶障害等の高次脳機能障害が残存したと診断し、自賠責保険の後遺障害等級事前認定手続において5級2号に該当すると判断された。原告は、その後、学校や家庭で、障害に即した学習面や生活面のフォローを受けてきたにもかかわらず、中学2年生の現時点において、本件事故時の小学4年生から学力や精神年齢等の発達が僅かしかみられない状況にあり、今後も劇的に好転するとは考え難い」

として、自賠責同様に、高次脳機能障害5級を認定しました。

また、この裁判例は、加害者が既に死亡、被害者も事故の記憶を欠落している事案において、過失割合に関して興味深い判断を示しており、注目に値する裁判例といえます。

2015.07.03

高次脳機能障害に関する裁判例 大阪地裁平成27年1月30日判決

【大阪地裁平成27年1月30日判決 自保ジャーナル1944号22頁】

自賠責の認定は後遺障害非該当だが、高次脳機能障害9級10号、そのほか後遺障害と併合して8級と被害者の方が主張した事案において、この裁判例は、事故後に意識障害があったとは認めらないとしたうえで、びまん性軸索損傷について、

「原告の頭部CT及びMRI検査の画像には、全般的な脳室拡大や脳委縮を窺わせるものはなく、損害保険料率算出機構においても、高次脳機能障害の専門家からなる高次脳機能障害専門部会の審議に基づき、『提出の頭部CTならびにMRI画像からは明らかな異常所見は窺え(ない)』ことなどを理由に、本件事故の脳外傷に伴う高次脳機能障害とは捉え難いと判断されている」

として、原告のMRI画像のT2画像をびまん性軸索損傷の根拠とすることには疑問があるとしたうえで、

「画像資料において脳の器質的病変があったこと、本件事故後に意識障害があったことのいずれについても疑問のある原告において、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)等の成績により、びまん性軸索損傷の傷害を負い、高次脳機能障害を生じたことを認めることには疑問がある」

としました。

画像所見と自賠責の後遺障害認定の判断を重視する裁判所の思考過程がよくでている裁判例です。

2015.07.02

脊髄損傷に関する裁判例 大阪地裁平成27年1月21日判決

【大阪地裁平成27年1月21日判決 自保ジャーナル1944号1頁】

頚髄損傷等で自賠責3級3号認定の後遺障害を残した被害者の方が常時介護を要する1級1号の後遺障害を残したと主張した事案において、この裁判例は、原告に介護を要する場面は食事、更衣、入浴の各局面において決して少なくないとしながらも、

「しかし、現在の状態を前提としても、日常生活動作の中心的部分は自身で行うことが可能であり、随時介護を越えて、常時介護を要する状態であると評価することはできない」

としつつ、

「軽度の四肢麻痺又は中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する状態であ」る

と認定し、2級1号の後遺障害に該当すると判断しました。

また、この裁判例は、将来介護費用について、中心となって介護している近親者である夫が67歳までは日額4000円、夫が67歳となった後の将来介護費用は日額8000円で認定しました。

2015.07.01

高次脳機能障害に関する裁判例 東京地裁平成27年1月30日判決

 【東京地裁平成27年1月30日判決 -自保ジャーナル1943号75頁】

7級4号高次脳機能障害と12級14号顔面醜状の後遺障害併合6級を残した40代男性会社員(支店長)の後遺障害逸失利益について、今回の裁判例は、


「事故当時、約1100万円の年収があったにもかかわらず、本件事故による高次脳機能障害により、約300万円の年収しか得られなくなったものであり(減収率約73%)、この事実は、原告の労働能力喪失率を考える上で極めて重要な事実というべきである。」


としたうえで、外貌醜状についても


「夏場は日焼けによって目立たないものの、日焼けが取れるとやはり目立ち、原告は度々他人から「その傷はどうしたのか」と尋ねられることがあって、どうしても人目を気にしてしまい、気持ちが消極的になることが認められるから、この外貌醜状も原告の労働能力に影響を与えていると認めるのが相当である」


として、


「併合第6級の労働能力喪失率である67%を下回らないというべきである」
と判断しました。





交通事故の裁判実務では後遺障害のうち外貌醜状の類型は労働能力喪失率が減じられる傾向がありますが、この裁判例は外貌醜状において被害者のご苦労を適切にくみとっており、被害者側弁護士にとってはうれしい裁判例です。


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山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

弁護士 竹川   聡

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大阪市中央区北浜2丁目1番3号北浜清友会館ビルディング。北浜駅から徒歩1分、淀屋橋駅から徒歩7分。大阪弁護士会所属。

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