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2015.06.30

高次脳機能障害に関する裁判例 名古屋地裁平成27年1月14日判決

【名古屋地裁平成27年1月14日判決 -自保ジャーナル1943号65頁】

脳挫傷等により2級1号高次脳機能障害を残した事案において、入院付添看護費日額6300円を認めたうえで、原告の高次脳機能障害による社会的行動障害、公共交通機関の単独利用が困難であることなどを指摘して通院付添看護の必要性を肯定し、また、

「家庭内において常時介護を必要とするものではないが、夫に対する依存度は相当に高く、随時介護の範疇において比較的密接なケアを必要としているものと認める」


として、退院後症状固定日までの家族介護・通院付添看護費として日額6000円を認めました。


また、将来付添看護費については、2級相当の高次脳機能障害が残存した原告の後遺障害の内容や程度、夫も可能な限り親族による介護を希望し、その苦労等を考慮して、日額余命分5000円を認めました。

2015.06.29

高次脳機能障害に関する裁判例のご紹介 大阪地裁平成26年12月18日判決

【大阪地裁平成26年12月18日判決 -自保ジャーナル1943号56頁】

脳外傷等により9級の高次脳機能障害を残したと原告が主張した事案において、今回の裁判例は、

事故後11日後に通院したB病院の初診において、頚部・腰椎のレントゲンに異常がなく、頚椎捻挫・腰椎捻挫を診断され、同病院通院中は神経学的に明らかな異常は認められていないこと等を指摘し、原告には


「①本件事故時における頭部外傷、②頭部外傷後の一定程度以上の意識障害、③脳屋拡大・脳萎縮を示す画像所見いずれも認めるに足りないから、原告が主張する症状が、本件事故を原因とする脳の器質的損傷によるものである蓋然性を認めることはできない」


として高次脳機能障害を否定しました。

2015.06.28

高次脳機能障害に関する裁判例 -鹿児島地裁平成26年11月26日判決

 【鹿児島地裁平成26年11月26日判決 -自保ジャーナル1943号1頁】

交通事故によりびまん性軸索損傷から高次脳機能障害を発症して1級1号の後遺障害を残したと原告が主張した事件において、今回の裁判例は、
原告の昏睡が受傷直後から6時間以上持続した事実がなく、CT、MRI画像に外傷性の異常所見がないこと等を指摘したうえで、

「原告の神経系統の機能又は精神の障害に係る症状の発生が、びまん性軸索損傷によるものであるとは、直ちに認めることができない」

と判断しました。

高次脳機能障害については、専門医の意見書(脳損傷やびまん性軸索損傷を否定)を検討したうえで、原告が加害者に宛てた手書きの手紙や陳述書、原告のコンビニエンスストアにおける動向などを指摘し、びまん性軸索損傷による高次脳機能障害の発症を否定し、原告の症状は「局部に神経症状を残すもの」として14級認定にとどめる判断をしました。

2015.06.13

死亡事案でなくても近親者固有の慰謝料は認められるか?


それでは、被害者が死亡しなかった場合には、近親者に慰謝料請求権は認められないのでしょうか。

具体的には、子が交通事故で傷害を受け、後遺障害が残ったような場合に、その親に固有の慰謝料請求権が認められるのか、ということです。

この点、判例は、近親者において死亡にも比肩すべき精神的苦痛を被ったと認められる場合には、近親者固有の慰謝料請求権が認められる、としています。

これは、民法711条が生命侵害における近親者の慰謝料請求を規定していることに鑑み、生命侵害時に限定するべきでないとしながらも、それに準ずるような場合に慰謝料請求権を認めることでバランスをとった判決であるといえるでしょう。

参考判例 最判昭和33年8月5日
原審の認定するところによれば、被上告人B1は、上告人の本件不法行為により顔面に傷害を受けた結果、判示のような外傷後遺症の症状となり果ては医療によって除去しえない著明な瘢痕を遺すにいたり、ために同女の容貌は著しい影響を受け、他面その母親である被上告人B2は、夫を戦争で失い、爾来自らの内職のみによって右B1外一児を養育しているのであり、右不法行為により精神上多大の苦痛を受けたというのである。ところで、民法七〇九条、七一〇条の各規定と対比してみると、所論民法七一一条が生命を害された者の近親者の慰籍料請求につき明文をもつて規定しているとの一事をもつて、直ちに生命侵害以外の場合はいかなる事情があってもその近親者の慰籍料請求権がすべて否定されていると解しなければならないものではなく、むしろ、前記のような原審認定の事実関係によれば、被上告人B2はその子の死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を受けたと認められるのであつて、かかる民法七一一条所定の場合に類する本件においては、同被上告人は、同法七〇九条、七一〇条に基いて、自己の権利として慰籍料を請求しうるものと解するのが相当である。

2015.06.10

保険会社の示談金値切りのサインはどこにでているか?

交通事故に遭った場合、いずれかのタイミングで、加害者側の任意保険会社から被害者の方に対して示談額の提案がある場合がほとんどです。加害者側任意保険会社の提案する示談額が全て適正な金額であればいいのですが、残念ながら、適正金額より減額された金額が提示されている場合が少なくありません。もっとはっきりいうと、保険会社に値切られているケースが少なくありません。

では、保険会社が提案した示談額が適正かどうかを見分けるにはどうしたらいいでしょうか?もっとはっきりいうと、保険会社の値切りのサインはどこにでているでしょうか?


【値切りのサインその① 後遺障害慰謝料】
自賠責の後遺障害認定を受けている場合、後遺障害慰謝料の金額をチェックしてみましょう。
まず加害者側任意保険会社が作成した書面の中から「後遺障害慰謝料」の欄を確認します。
次に、その欄に書かれた金額と、下記の金額を比べてみてください。
もし保険会社の提示額の方が安ければ、被害者の方は示談金を値切られている可能性があります。

 後遺障害1級  → 後遺障害慰謝料2800万円
 後遺障害2級  → 後遺障害慰謝料2400万円
 後遺障害3級  → 後遺障害慰謝料2000万円
 後遺障害4級  → 後遺障害慰謝料1700万円 
 後遺障害5級  → 後遺障害慰謝料1440万円
 後遺障害6級  → 後遺障害慰謝料1220万円
 後遺障害7級  → 後遺障害慰謝料1030万円
 後遺障害8級  → 後遺障害慰謝料830万円
 後遺障害9級  → 後遺障害慰謝料670万円
 後遺障害10級 → 後遺障害慰謝料530万円
 後遺障害11級 → 後遺障害慰謝料400万円
 後遺障害12級 → 後遺障害慰謝料280万円
 後遺障害13級 → 後遺障害慰謝料180万円
 後遺障害14級 → 後遺障害慰謝料110万円 

 (注)平成14年1月1日以前の交通事故は上記基準と異なります。

 (注)大阪地方裁判所の基準です。関東圏は異なります。

このチェック方法はわりと簡単なのでおススメの方法です。


保険会社の作成した書面では「弊社任意基準の上限値です」などの説明文が書かれている場合がありますが、そもそも保険会社の「任意基準」自体が安めに設定されているので、「弊社任意基準の上限値」だからといって、必ずしも安心できません。


【値切りのサインその② 休業損害】
休業損害の日額が5700円となっている場合、保険会社が示談金の減額を試みている可能性があります。
もっとも、事案によっては、5700円での算定は必ずしも悪くない場合もあり(つまり事案に応じては適正な場合もあります)、このあたりの判断は少し難しいかもしれません。


【値切りのサインその③ 傷害慰謝料・入通院慰謝料】
傷害慰謝料(入通院慰謝料)の計算が、通院1日あたり4200円などの算定になっている場合も要注意です。保険会社が示談金の減額を試みている可能性があります。


【値切りのサインその④ 入院雑費】
入院があった場合、入院雑費の欄をチェックしてみましょう。入院1日あたり1100円で提案されていませんか?本当は入院1日あたり1500円が適正額です。入院1日あたり1500円を下回った算定がされている場合、保険会社が示談金の減額を試みている可能性があります。


【最後に】
ここでご紹介した4つの方法は、比較的簡単なチェック方法なので、もし加害者側の任意保険会社から示談提案があった場合は、示談額が値切られていないかどうか、チェックしてみて下さい。

とはいえ、実務レベルではさすがにもっと難易度が高く、今回ご紹介した方法はあくまでざっくりとした目安とお考え下さい。例えば、付添介護費用、将来の介護費、逸失利益における労働能力喪失率、逸失利益における基礎収入、逸失利益におけるライプニッツ係数、過失割合、損益相殺、社会保険との調整や人身傷害補償保険との調整など、損害の積算には専門的知識が必要で、それなりの勉強が必要です。


また、保険会社の示談提案の中には巧妙なものもあり、今回ご紹介した4つのサインをクリアしているが、よくよく見てみれば、実は示談額の減額がされている場合もあります。


加害者側任意保険会社による値切りの有無の判定、適正な賠償金の判定は、被害者の方にとって大事な問題ですし、最近は弁護士の無料法律相談もたくさんありますので、気になった方は弁護士に相談してみてください。

2015.06.08

高次脳機能障害の裁判例のご紹介 名古屋地裁平成27年1月20日判決

 名古屋地裁平成27年1月20日判決 -自保ジャーナル1942号10頁

自賠責では後遺障害非該当だが、2級1号の高次脳機能障害を残したとして、被害者の方が損害賠償を請求した事案において、この裁判例は、被害者の方が事故直後に被害者の方が携帯電話を使用していた事実、病院の記録でも意識清明とされている事実、本件事故のことを記憶していると述べている事実などを認定したうで、

『本件事故後、原告に意識障害や健忘があったと認めることはできない』

としたうえで、

『典型的な高次脳機能障害の診断基準である意識障害や急性期から亜急性期に撮影されたCT、MRI画像上の脳屋拡大、びまん性脳萎縮の所見のいずれも見当たらないうえ、WHOの軽症頭部外傷後の高次脳機能障害の臨床診断運用基準も充足していない。』

『さらに、知的能力や記憶力は年齢相応で、勉学や就労において認知障害、行動障害、人格変化といった高次脳機能障害に典型的な症状による障害が生じている事実も認められない』

などとして、被害者の高次脳機能障害を否定しました。

裁判所は自賠責の判断を重視するため、やはり自賠責で高次脳機能障害が否定されてしまうと、訴訟においてもどうしても厳しい戦いになってしまいます。

2015.06.07

高次脳機能障害の裁判例のご紹介 横浜地裁平成27年1月29日判決

横浜地裁平成27年1月29日判決 -自保ジャーナル1942号1頁

高次脳機能障害として自賠責7級4号の後遺障害認定を受けた17歳女性の被害者について、この裁判例は、

『本件事故後に4年制大学に進学し標準以上の成績を修めているものの、疲れやすく、すぐ居眠りをする(中程度)、以前に覚えていたことを思い出せない、複数の作業を同時に行えない(いずれも軽度)などの認知・情緒・行動障害があ』り、

『学生としては標準以上の成績を修められたとしても、就労すれば他の労働者との協同を必要とすることが多いため、上記のような認知障害等が就労環境に適応する能力を阻害し、就職や就労継続に支障を来たす蓋然性は高い』

として、自賠責と同じく7級4号の高次脳機能障害を肯定しました。

交通事故事案の中には、ご本人の努力やもともとの才能に隠れてしまい、後遺障害が外から見えにくいケースが少なくありません。今回の裁判例では、幸いにして後遺障害は否定されませんでしたが、被害者に厳しいタイプの裁判官にあたった場合、4年生大学で標準以上の成績を修めている点を厳しくとられて、等級が下げられたかもしれません。被害者側弁護士からしてみれば、今回のような裁判例が少しでも増えてほしいと思います。

 

2015.06.06

弁護士費用保険(弁護士費用特約)が付いていた場合、弁護士を付ける流れはどのようなものか?

被害者の方の保険に、弁護士費用保険が付いていた場合、弁護士を付ける流れはどのようなものでしょうか?


【まずは弁護士探し】

まずは弁護士探しです。ご知人からの紹介、インターネットで検索など、探し方は色々です(もし迷っている方がおられたらぜひ山本・竹川法律事務所まで!)





【次にご自身の保険に電話確認】

次に、ご自身が加入していておられる保険会社に、今回の交通事故で弁護士費用保険が使えるか、お電話でご確認下さい。どこの弁護士を、いつから、いくらで付ける予定かなど、細かい話まではまだされなくても大丈夫。今回の交通事故で弁護士費用保険が使えるかどうか、それだけをご確認いただければ足ります。




【弁護士に法律相談の予約を入れる】

最後に、希望の弁護士に法律相談の予約を入れればOKです。




弁護士のタイプや地域によっては、上記の流れ以外にややこしい段取りを指定される場合もあるかもしれませんが、少なくとも山本・竹川法律事務所の場合は、上記の流れで大丈夫です。色々な保険会社さんがありますが、今回ご紹介した流れでトラブルになったことはありません。

なお、弁護士費用保険は、弁護士費用特約、弁護士費用担保特約、弁護士費用補償保険など、色んなネーミングがありますが、ここではほぼ同じと思っていただいて結構です。

2015.06.05

ゲームでわかる弁護士費用保険

大阪弁護士会のホームページで

ゲームでわかる 弁護士費用保険

が紹介されています。一見するといかがわしいゲームのようですが、さすがに中身はまじめなものになっています。

弁護士費用保険とは、ざっくりいえば、交通事故の被害者の方が、加害者側の保険会社との示談交渉や裁判に際して自分の弁護士を付けた場合に、保険会社が代わって弁護士費用を支払ってくれて、したがって原則として被害者の方は弁護士費用を支払わなくてすむ、という保険商品です。


この弁護士費用保険が付いているおかげで、被害者の方は弁護士費用の心配をせずに弁護士をつけることができ、実際の交通事故実務においても、弁護士費用保険のおかげで気軽に弁護士を付けることができるようになったと感じます。


保険のオプション・特約として付けられることが多いせいか、被害者の方の中には、ご自身の保険に弁護士費用保険が付いていると知らない方もおられます。色々とご心配ごとがある交通事故被害者の方は、一度ご自身の保険に弁護士費用保険が付いているかどうか、お電話でご確認されてみてはいかがでしょうか。

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大阪市中央区北浜2丁目1番3号北浜清友会館ビルディング。北浜駅から徒歩1分、淀屋橋駅から徒歩7分。大阪弁護士会所属。

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