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2015.05.25

交通事故の死亡慰謝料はどのような理屈か?

被害者が交通事故により死亡した場合、遺族が慰謝料請求をすることが出来るということは感覚的に分かります。


もっとも、理論的にはどういう理屈で遺族が慰謝料請求をするということになるのでしょうか。

この点、最高裁は、死亡慰謝料について、被害者の死亡によって当然に発生し、これを放棄、免除する等特別の事情が認められない限り、被害者の相続人がこれを相続するとしています。

これを前提にして分析的に考えると「遺族の慰謝料請求=死亡した被害者自身の慰謝料請求+近親者固有の慰謝料請求」になるということですね。

もっとも、被害者の慰謝料請求権については、近親者が受けた精神的苦痛も考慮されており、被害者自身の慰謝料請求権と近親者固有の慰謝料請求権は実質的に重なっている部分があると認められること、近親者固有の慰謝料請求権の行使の有無によって慰謝料額が異なるとするのは妥当でないことから、大阪地裁の運用では、死亡慰謝料については被害者分と近親者分を含んだものとして基準額を決定しています。

参考判例 最判昭和42年11月1日

ある者が他人の故意過失によって財産以外の損害を被った場合には、その者は、財産上の損害を被った場合と同様、損害の発生と同時にその賠償を請求する権利すなわち慰藉料請求権を取得し、右請求権を放棄したものと解しうる特別の事情がないかぎり、これを行使することができ、その損害の賠償を請求する意思を表明するなど格別の行為をすることを必要とするものではない。そして、当該被害者が死亡したときは、その相続人は当然に慰藉料請求権を相続するものと解するのが相当である。けだし、損害賠償請求権発生の時点について、民法は、その損害が財産上のものであるか、財産以外のものであるかによって、別異の取扱いをしていないし、慰藉料請求権が発生する場合における被害法益は当該被害者の一身に専属するものであるけれども、これを侵害したことによって生ずる慰藉料請求権そのものは、財産上の損害賠償請求権と同様、単純な金銭債権であり、相続の対象となりえないものと解すべき法的根拠はなく、民法711条によれば、生命を害された被害者と一定の身分関係にある者は、被害者の取得する慰藉料請求権とは別に、固有の慰藉料請求権を取得しうるが、この両者の請求権は被害法益を異にし、併存しうるものであり、かつ、被害者の相続人は、必ずしも、同条の規定により慰藉料請求権を取得しうるものとは限らないのであるから、同条があるからといつて、慰藉料請求権が相続の対象となりえないものと解すべきではないからである。

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山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

弁護士 竹川   聡

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大阪市中央区北浜2丁目1番3号北浜清友会館ビルディング。北浜駅から徒歩1分、淀屋橋駅から徒歩7分。大阪弁護士会所属。

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