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2015.04.24

交通事故により後遺障害を負った被害者が事故後に別の原因で死亡した場合、後遺障害逸失利益はどうなるのか?

 後遺障害による逸失利益は、基礎収入に労働能力喪失率を乗じ、これに労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じて算定することになります。

 では、被害者が後遺障害を負った後に、交通事故とは別の原因により死亡してしまった場合にはどう考えるべきでしょうか。

 この点、被害者が死亡しているのですから、その時点で逸失利益(将来得られたであろう利益)は存在しないとする考え方もあります。
 しかし、交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていた等の特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものでないとするのが最高裁の考え方です。
 つまり、交通事故に遭遇し、後遺障害を負った時点で逸失利益は確定し、原則としてその後の事情変更は考慮されないということです。

 なお、将来の介護費用については、死亡後に要したであろう介護費用は交通事故による損害とは認められないとされていますので注意が必要です。


参考判例
最判平成8年4月25日
交通事故の被害者が事故に起因する傷害のために身体的機能の一部を喪失し、労働能力の一部を喪失した場合において、いわゆる逸失利益の算定に当たっては、その後に被害者が死亡したとしても、右交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、右死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではないと解するのが相当である。けだし、労働能力の一部喪失による損害は、交通事故の時に一定の内容のものとして発生しているのであるから、交通事故の後に生じた事由によってその内容に消長を来すものではなく、その逸失利益の額は、交通事故当時における被害者の年齢、職業、健康状態等の個別要素と平均稼働年数、平均余命等に関する統計資料から導かれる就労可能期間に基づいて算定すべきものであって、交通事故の後に被害者が死亡したことは、前記の特段の事情のない限り、就労可能期間の認定に当たって考慮すべきものとはいえないからである。また、交通事故の被害者が事故後にたまたま別の原因で死亡したことにより、賠償義務を負担する者がその義務の全部又は一部を免れ、他方被害者ないしその遺族が事故により生じた損害のてん補を受けることができなくなるというのでは、衡平の理念に反することになる。

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山本・竹川法律事務所

弁護士 山本  明生

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